あらすじ
最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ。誰かに」テーブに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒沢が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。
爽快感溢れる作品集。
【引用元】フィッシュストーリー 裏表紙
感想
- 動物のエンジン
- サクリファイス
- フィッシュストーリー
- ポテチ
の4編が収録されています。
フィッシュストーリーは2009年に中村義洋さん監督で映画化されていますが、自分は映画は見ていません。
タイトルにもなっているもフィッシュストーリー。
過去→現在→最初よりもさらに過去→未来、裏表紙にあるように時空を超えて話しが進みます。
ある売れないロックバンドの一曲がきっかけをつくり小さな「正義感」から始まり、その「正義感」を受け継いだものが最終的に世界を救う人物を助けることとなる。
あらすじも書いてありましたし、読み進めているうちに全部が繋がっているのは予想できましたが最後まで読むと「やっぱり全部繋がっていた」というスッキリ感と、そこまで大きなことになるとはという驚きがありました。
長篇ではないので、サクッと読めてしまうので、説が苦手な方でも読みやすいんじゃないかと思います。
でも、自分としては伊坂幸太郎さんの他の作品にも登場する「黒澤」が活躍する「サクリファイス」が4篇の中では一番好きです。
とある田舎村の風習の謎を「自分には関係ない」と思いつつも少しずつ解明していく泥棒兼探偵の「黒澤」
この「黒澤」がクールでどんなことにも物怖じしない様がたまらなくかっこいいです。
そんな4篇が収録されたフィッシュストーリー。
上にも書きましたが1篇1篇がそんなに長く、読みやすいので、小説が苦手な方も気軽に読んで見てはいかがでしょうか。