あらすじ
元関取が愛宕市内で突然暴れて多くの死傷者を出し、精神科の入院歴が問題にされた。
他にも事件を起こした元患者たちが揃って直前に行方不明になっており、精神科医の鷲谷真梨子は患者の話から監禁に使われた小屋を探しあてた。
が、事件の鍵を握る医療ブローカーと小屋を監視していた刑事二人が殺される。
【引用元】指し手の顔(上) 裏表紙
連続爆破事件の共犯者という疑惑が残る鈴木一郎が連続殺人犯だというスクープが地元紙に載る。
かつて精神鑑定を担当した真梨子に注目が集まる中、警察操作の裏をかくように行動する鈴木一郎。
残虐行為を繰り返す美貌の殺人者とは何者なのか?
乱歩賞受賞作「脳男」から7年、更なる問題作が満を持して登場。
【引用元】指し手の顔(下) 裏表紙
感想
以前読んだ「脳男」の続編です。
上下巻に分かれた長篇になってます。
最初のほうは話しが唐突すぎてついていけなかった感があり何度もページを戻って読み直しましたが、誰の話しなのか、いつの話しなのか、空想の話しなのか中々スッと入ってきませんでした。
それでも、上巻の中盤をすぎたあたりから徐々に読むペースというか感覚をつかんできて、世界観に入っていくことができました。
随所にキリスト教?神話?の話しが出てくるのでそのあたりの知識があればもっと理解が深まり世界に入れたと思います。
まぁそれでなくても十分すぎるほど面白くて満足できましたけどね。
自分なりに鈴木一郎の行動や真犯人は誰かと考えながら読んでましたが、全くあたりませんでした。
最後に鈴木一郎が真犯人を追い詰める中で、鈴木一郎がとっていた行動が何だったか分かっていく、なるほど・・・ってなりました。
でも、個人的には鈴木一郎と犯人の直接的な攻防とか、茶屋警部を目の敵のようにしている出世しか考えていない管理官の鮎川の攻防がもっと見たかったなという気持ちもあります。
贅沢言い過ぎですかね。
最後は更なる続編を臭わせる描写で終わってますので続編を楽しみに待ちたいと思います。